わいせつ物頒布等の罪

具体例:
・わいせつ物(※いわゆる裏ビデオ、裏DVD等)を販売した場合(→わいせつ物頒布罪)
・わいせつ物を販売目的で所持している場合(→わいせつ物頒布目的所持罪)
・わいせつ物をインターネット上で公開している場合(→わいせつ物陳列罪)

最近の傾向:
いわゆる裏ビデオ、裏DVDを売る店舗が摘発され、店舗のスタッフが検挙されたり、
インターネット上でわいせつ画像を公開していた人が検挙されたりするケースが散見されます。

刑罰の傾向:
懲役または罰金刑となっていますが、
命令されるまま販売をしただけの末端の店舗スタッフでも、懲役刑が科される可能性があります。

弁護活動:
一般に被害者がいない犯罪とされていますので、示談をするという活動ができません。
そのため、反省し、再犯をしないと誓約することが重要です。

1 反省
本人に十分な反省を促すことが重要です。
そのためには、なぜ事件を起こしてしまったのかを考えることが重要です。
弁護士は、反省文を書かせるなど、反省を深める助言・指導をします。

2 違法な組織との縁を切ること
裏DVDの店舗は、暴力団など違法な組織が運営していることがほとんどですので、
今後このような組織と縁を切り、社会人としてきちんとした職に就くことが重要です。
それが、再犯の防止にもつながります。
弁護士が家族と連絡を取るなどして、その環境調整に努め、環境が整っていることを裁判所や検察庁に主張していきます。

3 再犯防止
わいせつ物頒布等の罪は、多くは営利目的で、生活費に困って行ってしまうことも少なくありません。
そのため、今後の生活場所や職が決まっていなければ、
「またお金に困って再犯するのではないか」と疑われやすい傾向にあります。
再犯をしないとの誓いを裁判所や検察庁に信用してもらうために、弁護士の方で上記の住居や職などの環境調整に努め、環境が整っていることを裁判所や検察庁に主張していきます。

4 贖罪寄付
一般に被害者がいないため、示談ができない犯罪ですが、
犯罪行為によって利益を得ていた場合には、贖罪寄付を行なうことも有効です。
これは犯罪行為によって得てしまった利益を得たままにせず、慈善事業などの公益のために寄付することで、裁判所から罪の償いが行われたと認定してもらえ。減刑される可能性があります。